永井(日本生協連):皆さん今年度のPeace Now!ではとても工夫されて取り組まれていましたが、今回のワークにより、参加者のこれまでとワーク後で、感想やネクストアクションには変化があったのでしょうか?
藤島:広島では、最後に行ったPeace talk!という企画で参加前の皆様との交流の機会がありましたが、率直に感想を話してくれました。
また、記憶遺産を残すために、被爆者の方にインタビューして、音声データなどの記録に残していますが、その人手が足りていないという現状があります。何故かというと、Peace Now!に参加する学生にはそれぞれいろんな背景があり、最初から平和について学びたいという熱量のある人もいれば、先輩から行ってきて、と言われたから参加した、という受動的な参加者もいます。
最初は広島への旅行感覚で参加した方も、実際資料館などに行って、他の参加者と平和を考えるワークを経験すると、やっぱりまだまだ日本は平和を守らなきゃいけない、守り続けるために自分たちが行動する必要があるという考えを持ってくれたり、ワークで多角的な視点から考えたので、決して被害だけではなく、加害もしていたという事実を知った上で、大学に戻ってからも、平和を考えるため、周りの人たちにもちゃんと報告をしたいと話してくれました。マインド面でもかなり変化があったと思います。
漆崎:今年のテーマが「語りなおす」だからこそ、参加者一人一人が自分が考えたことを周りに自分の言葉で伝えていきたいと望んでくれたと思います。
また9月末に3地域の参加者が集まる交流会を開催しましたが、そこで行ったアンケートを見ると、自分は今回初めて長崎に行ったわけじゃない、小学生や高校生の時に行ったけれども、その時よりも今回の方が考えることがたくさんあったし、参加後も自分が学んだことを広げていきたいという思いも持っている、という感想がありました。
やっぱり大学生に学ぶ・知る機会を設けられて良かったなと思いますし、「語りなおす」というテーマの元、参加者一人一人が持つ平和に対する願いと、それをどう自分の家族、友人や大学に広げていくかを、柔軟に考える機会になれたと感じます。
佐藤:沖縄は特に、県内の様々な場所、北部でも南部でもいろんなことがあったため、今回の行程では行けない場所も出てきてしまったのですが、それも含めてこの3日間で多くを知ることができた、でも「知り尽くせなかった」という声もあったと感じています。
今後の行動でいうと、「沖縄戦のことももちろん伝えたいのですが、沖縄が今どうなっているのかもちゃんと伝えていきたいです」と言っている方が何人もいました。
また、沖縄戦が起こった時に、当時の日本には諸外国に対してどんな側面があったのかを知るともっと深まっていく、沖縄戦を通して知ったことをより深めていくためにも、そういった歴史ももっと学んでいきたいという、学びの意欲を持ったという感想もいただけました。
戸田:最後に、大学生が活動する意義について。大学生は4年間という短い期間で学生委員をやるため、参加者が卒業していく、というフェーズが含まれていると思います。 短い期間の中で活動して、次の世代に繋いでいく。大学生協ならではの平和活動のあり方について、今後どうなっていったら良いと考えているか、お聞かせください。
大学生協連 学生委員長 髙須啓太(以下、髙須):まさに今、大学生協の活動を今後どう広げていくかについて、難しいと思っていたところでした。今取り組んでいる「自分にとって平和とは何かを考えよう」という投げかけ方だと、参加しやすくて広がりはするんですけど、今後はその一歩先まで行かないといけない、という風に思っています。
「自分たちが平和を考えてどう行動するのか、なんで行動しないといけないのか」「戦争をしないためにはどんなことができるのか」を考える仲間を増やしていくための場を作っていきたいです。
また平和がいいよねと思っている仲間を広げるだけじゃなくて、平和を広げていくために、私たちは何ができるのかを考える仲間を増やしていくという活動を、Peace Now! への参加をきっかけとして、その参加者を軸として広げていけたらいいなと思っています。
なので、Peace Now! だけに限らず、それぞれの大学の生協の店舗といったフィールドを使いながら広げられるといいなとも考えています。
身近な地域、それぞれの地域に大学があるので、地域の人や地域の団体と一緒に、平和への理解や自分の考えを深めていく取り組みを広げるというやり方は、今後やっていく必要があると思っています。
戸田:ちなみに、現在既にそういった取り組みはされているのでしょうか?
髙須:Peace Now! に参加した人が自分の大学の近くの戦跡を巡ろうという企画や、地方都市でも空襲があったので、普段住んでいる、通っているあの街に空襲があったということを学習する企画をやっている学生委員は多いです。
ですが、学生委員会からさらに先の組合員や地域の人まで活動が広げられてるかというと、出来ているところは多くはないと思うので、その活動が広がったらいいなと思っています。
また、今後やっていきたいこととしては、全国の被爆者の声を残す取り組みを考えています。
最近は、 日本被団協さんと連携している、「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」の方とのコミュニケーションをとっているのですが、被爆者の方は広島・長崎に今も残っている方だけではなくて、全国各地にいらっしゃって、各地に被爆者の会があります。
記憶遺産を残すために、被爆者の方にインタビューして、音声データなどの記録に残していますが、その人手が足りていないという現状があるので、各地域の学生委員が被爆者の方にお話を聞きに行き、その様子を動画データなどにしていきたいと思っています。
学生委員としては被爆者の方から直接お話が聞ける機会にもなりますし、そのお話を記憶遺産として残せるので、社会にとっても、学生の学びとしても良い、という活動を今後広げていけないかと考えています。