戸田:まずは自己紹介をお願いします。
藤島凜香(以下、藤島):Peace Now! Hiroshimaの実行委員長を務めました藤島です。また今年度は3地域合同開催だったのですが、全地域をまとめる統括も担当していました。
漆崎新(以下、漆崎):同じく大学生協連の学生委員会をしています、漆崎です。Peace Now! Nagasaki実行委員長として、企画作りや運営関係をやっていました。
佐藤佳樹(以下、佐藤):Peace Now! Okinawa実行委員長をしております、佐藤です。広島、長崎、沖縄にルーツはなく、昨年度岩手大学を卒業しています。
戸田:Peace Now!の取り組み内容についてお聞かせください。
藤島:大学生協のPeace Now!は、大学生協が、大学生と大学生協の学生委員のメンバーで行っている平和を考えるための体験型プログラムです。 体験型プログラムとは、例えば、現地に行って被爆者の講話を聞いたり、残っている遺跡を見に行ったり、参加者同士で集まって話したり、いろんな人と意見を交え「聞く、見る、話す」を主としたプログラムです。

大学生協の平和活動は元々、平和について考え、勉強したことを広めるために冊子を作り、全国に配ったところからのスタートでした。
ただ、年々冊子を作るだけではマンネリ化してしまい、また「これが本物の平和の取り組みなのか?」と立ち止まって考えた時に、自分事として受け止めてほしい、考えて終わりではなく行動して欲しい、というところまで捉えていきたいと考え、Peace Now!の前身である平和ゼミナールが開催されるようになりました。 始まりは冊子だったところから年月を経て、現在ではオンラインや対面を駆使した体験型プログラム、Peace Now!が生まれました。
最初は開催の日程も、地域によって違っていたのですが、2024年から3地域同日の足並みを揃えての開催になりました。

戸田:今年度のPeace Now!のテーマ「私たちが語りなおす」について、なぜこのテーマを選んだのでしょうか?
藤島:まず、「語りなおす」の「なおす」を、漢字表記の「直す」ではなく、ひらがな表記の「なおす」にしました。これは「事実を曲げない」ということを大事にしています。
戦後・被爆80年の今、節目を迎えるというところで、ただ事実を知って終わりではなく「自分が受け取った学びや思いを、周囲に語りなおしていく」ということを意識しました。
「語り継ぐ」も似ている表現ではあるんですが、語り継ぐだと、イメージとしては「事実の継承」になります。

例えば、Aさんから原爆が落とされたと聞いたBさんも原爆が落とされたんだと伝えていくような、伝言ゲームのように、事実を正確に受け継いでいくというのも、もちろん大事にしたい部分です。
ですが、今回テーマにした「語りなおす」は、事実+αの部分を大事にしてます。

「原爆が落とされた」という事実+αとして、当時の人たちの想いも大事にしたいですし、それを受け取った私たち、聞いている側の思いも大事にしたい。
決して正しさの押し付けだけではなく、それを聞いた私たちが対話を通して、今の私たちはそれをどう受け取るか、考えるか、を踏まえて「語りなおす」としています。
講話で聞いたことやワークで見たことをそのまま受け取るのではなく、せっかく全国から集まって来ている仲間もいるので、環境も価値観も異なる仲間との対話を通して、今の私たちはこういう風に感じたんだという意見や意思を共有し、その体験を元に周囲に語りなおすということを大事にしています。
実際にやってみて思ったのは、やっぱり日本人は、戦争は悪いものだとする義務教育の中で育ってきています。その中で、今回のPeace Now!では、被害面だけではなく、原爆を落とした側の視点や、周辺国の視点に立って考える、というワークを行いました。
アメリカの視点、日本が植民地として差別をしていた東南アジアの視点に立ってみると、今まで、つまり義務教育で学んだ中では、戦争は悪いものだ、武力がない世界だけが平和なんだと思っていたけれど、Peace Now!で多角的な視点に立って改めて考えると、果たして武力がない世界だけが平和なのか、やっぱり違うなと思う方もいました。
また、日本は被害者というだけではなく、加害をしていた側でもあったということを考え、Peace Now!だからこそできる仲間との対話を通して、受け取りなおして、それをちゃんと伝えていく。
なんとなくダメだよねと思うのではなく、ちゃんと学んだ上で、過去を知った上で、改めて「戦争ってダメだよね」や、「今って本当に平和なのかな」と思うその過程を参加者に受け取ってもらいたかったため、テーマにしました。
次回はPeace Now! Hiroshimaの取り組みについてお伺いします。